運営しているWEBサイトの多言語化をお考えですか?
WordPressで運営されているWEBサイトであれば、プラグインを使うことで、簡単に多言語化することができます。
しかし、プラグインといっても種類が豊富で、どれを選べばよいか迷ってしまいますよね?
そこで、このページではWordPressを多言語化できるプラグインをタイプ別に解説し、最後におすすめのプラグインをご紹介します。
サイトを多言語化される際の、参考にしていただければと思います。
- WordPressを多言語化するプラグインのタイプ別解説
- おすすめのWordPress多言語化プラグイン
- 1.Bogo(無料)
- 2.Multisite Language Switcher(無料)
- 3.MultilingualPress(有料・無料)
- 4.Polylang(無料)
- 5.Translate WordPress with GTranslate(無料・有料)
- 6.Google Website Translator(無料・有料)
- 7.WPML(有料)
- 8.Multilanguage by BestWebSoft(無料・有料)
- 9.WPGlobus(無料)
- 10.Sublanguage(無料)
- プラグインを導入する前に
- おすすめの多言語化プラグインまとめ
WordPressを多言語化するプラグインのタイプ別解説
まず、WordPressの実装方法からプラグインを大別して解説します。そして、そのメリット・デメリットを交えてご紹介していきます。
各言語1投稿型
各言語ごとにコンテンツを作成し、対応するそれぞれのコンテンツを紐づけて多言語化する方法です。
メリット
多言語で翻訳された投稿は独立したものであり、データベース内のデータが変わることはありません。そのため、インストールとアンインストールが比較的簡単にできます。また、他のプラグインの干渉を受けにくいのも特徴です。
デメリット
プラグインの制作者ではなく、利用者であれば、特に大きなデメリットはありません。一部のプラグインでは独自テーブルを作成してしまいますので、後述するWPMLなどはこの点など注意すれば良いかと思います。
全言語1投稿型
1投稿内に、すべての言語の投稿を含めてコンテンツを格納する方法です。WordPressの投稿画面を想像できるでしょうか。全言語1投稿型のプラグインを使用すると、投稿画面に各言語ごとのタブが設置され、そのタブを切り替えると各言語の翻訳を編集することができます。
メリット
メリットは、各言語の翻訳が1投稿にまとまっているので、投稿や編集がしやすいという点です。
デメリット
1投稿内に独自タグで各言語のコンテンツを確認しているため、投稿が表示されるたびに処理が実行されます。そのため、言語数やコンテンツ数が増えると挙動が遅くなりがちです。
また、独自タグのため、一度この方法でコンテンツを制作を進めてしまうと、他のプラグインへの変更やアンインストールが煩雑になる場合があります。
これはプラグインをアンインストールする際に、独自タグで分けられた言語別のコンテンツを元に戻す、または削除する必要があるからです。
外部サービス利用
Google翻訳などのサービスにリンクし翻訳させるタイプです。
メリット
こちらも、導入がシンプルで簡単。どんなページでも翻訳できる。
デメリット
機械翻訳は、固有名詞を正しく翻訳できないため、編集画面がない場合、商品名やサービス名が誤って翻訳される。
WordPress マルチサイト版の使用
WordPressにはマルチサイト版があり、それを利用する方法です。WordPress内で言語ごとのサイトを制作し、それらを紐付けます。
メリット
同一のWordPressなので、テーマやプラグインは同じものが使え、設定も引き継げる。
デメリット
複数のサイトを管理することになるので、管理が煩雑になる。
おすすめのWordPress多言語化プラグイン
それでは、実際におすすめのWordPress多言語化プラグインを紹介していきます。
これから紹介するもの以外にも、多言語化プラグインは多数存在します。
この記事では、
- 信頼性
- 使いやすさ
- プラグインに関する情報量
などを考慮し、厳選したものだけをご紹介。
それぞれの特徴やメリットなどから、ご自身に合うものを探してみてください。
1.Bogo(無料)
WordPressの多言語化を検討する際に、自信を持っておすすめできるプラグインのNO1がBogoです。
Bogoの開発者は、日本人のTakayuki Miyoshi氏です。100万(2019年1月現在)以上のインストール数を誇る最も有名なコンタクトフォームのプラグイン「Contact Form 7」を開発した方としても有名です。
各言語1投稿型で、軽量でシンプルなだけでなく、他のプラグインやテーマとのトラブルが無いようにとコンセプトが設計されています。
軽量で無料だからといって機能が不足してることはありません。
投稿ページ、固定ページ、メニュー、カテゴリ、ウィジェットの多言語化はもちろんのこと、言語スイッチャーや多言語・他地域のSEOに重要な言語毎のサブディレクトリ型のURL生成と「hreflang=”x”アノテーション」の機能までついています。
無駄な設定画面も無いこと、日本語の情報が入りやすいことから導入後すぐに利用できるところもおすすめです。
Bogoの使い方は以下で具体的に説明しています参考にしてください。
2.Multisite Language Switcher(無料)
Multisite Language Switcherは、Wordpressのマルチサイト型で多言語化する際に、おすすめするプラグインです。
投稿ページ、固定ページ、カスタム投稿タイプ、カテゴリ、タグ、カスタムタクソノミーの多言語化を管理できます。
基本的に言語ごとにコンテンツを紐付ける役割をするシンプルなプラグインです。そのためBogoと同じようにプラグインやテーマとの干渉が起きにくい多言語プラグインです。
WordPress MU Domain Mappingプラグインを利用することで、サブディレクトリ、サブドメイン型の両方のURL構造に対応できます。
3.MultilingualPress(有料・無料)
MultilingualPressは、Multisite Language Switcherと同じく、Wordpressのマルチサイト型で多言語化するプラグインです。
無制限のマルチサイトを管理でき、174言語で利用できます。サイトの切り替えの必要なく、対応するコンテンツを編集できるのはとても便利です。
もちろん、投稿ページ、固定ページ、カテゴリ、タグ、タクソノミー、カスタム投稿タイプの多言語化ができます。
WPMLのようなシステム・ロックイン(独自技術に依存し、他システムへの乗り換えが困難になる現象)が無いことから、気軽にトライアル導入することができます。
Pro版は以下の3つの価格があります。
プラン | 価格 | マルチサイト数 |
---|---|---|
Standard | $199 | 1 |
Developer | $299 | 5 |
Agency | $599 | 25 |
※WordPressのバージョン5以上で導入するためには、MultilingualPressバージョン3以上が必要です。バージョン2では、Gutenbergに非対応です。
4.Polylang(無料)
Polylangは各言語1投稿型のプラグイン。無料で使用することができます。
投稿ページ、固定ページ、メディア、カテゴリ、タグ、メニュー、ウィジット、カスタム投稿タイプ、カスタムタクソノミーの多言語化ができます。
Lingotekというアドオンを利用することで翻訳メモリや翻訳プロセスの効率化を図れることが他のプラグインと異なります。
しかし、機能が豊富な反面、設定項目が多くなり、導入までの学習コストが他のプラグインに比べて大きいことが難点です。
5.Translate WordPress with GTranslate(無料・有料)
Translate WordPress with GTranslateは、Google Translateの自動翻訳サービスを使用して、多言語化するプラグインです。
残念ながら、無料版は、機械翻訳であるばかりでなく、URLがベースとなる言語から変化しません。
つまり、exsample.com というサイトの英語版は、同じく exsample.comとなるため、サーチエンジンに検索対象となることありません。
また、その機械翻訳も深層学習機械翻訳ではなく、統計的な機械翻訳となっており、精度も低下しています。
無料版の導入は、あまり意味がないと言ってもいいでしょう。
有料版は、深層学習の機械翻訳が導入されます。また、サーチエンジンフレンドリーなサブドメイン、サブディレクトリがURLを生成することができます。また、最上位版では、ccTLDが利用できるようになります。
また、Edit Translationsと呼ばれる人的翻訳を補完できる機能も有料プランのみとなります。
有料プランを予定している方には有用なプラグインとなっています。
有料版は、以下の価格となっています。
プラン | 価格/Month |
---|---|
CUSTOM | $5.99 |
STARTUP | $14.99 |
BUSINESS | $24.99 |
ENTERPRISE | $34.99 |
6.Google Website Translator(無料・有料)
Google Website Translatorは、その名が示す通り、Google Website TranslatorをWordPressで利用できるようにするプラグインです。103言語に対応しています。
50USDの有料版もあります。有料版は、SEO可能なサーチエンジンフレンドリなURLを生成することができます。
1点だけ気をつけてほしい点は、このサーチエンジンフレンドリな有料版です。
URLを分けてサーチエンジンに認識させることは良いのですが、機械翻訳をgoogleにインデックスさせることはスパム行為となります。
これはgoogleの品質ガイドラインにも記載されている非常に危険な行為です。
機械翻訳を気軽に無料で利用したい方向けのプラグインと考えたほうがいいでしょう。
7.WPML(有料)
WPMLは、全言語1投稿型の多言語化プラグインです。
プランと価格は以下の通りです。
プラン | 価格/YEAR | ウェブサイト数 | その他制限 |
---|---|---|---|
Multilingual Blog | $29 | 1 |
カスタムフィールド |
Multilingual CMS | $79 | 3 | ‐ |
Multilingual Agency | $159 | 無制限 | ‐ |
年ラインセンスなので1年ごとにそれぞれ2/3程度の費用の更新費が次年度から必要です。
WPMLは、有名な多言語化プラグインですが、アドオンプラグインが結局必要であったり、独自のテーブルをデータベースに追加することから、システム・ロックインに困ることがあります。
他のプラグインに移行したくなった場合に、移行ツール(色々なプラグインが「WPML to ○○」というツールを作っています)が必要になります。
有料プラグインですので機能は豊富ですが、その分サードパーティのテーマやプラグインとの干渉が懸念されます。事実、適応済みのテーマやプラグインのリストをサポートサイトで公開しています。また、ロックインもあることも念頭に検討をして導入しましょう。
8.Multilanguage by BestWebSoft(無料・有料)
Multilanguage by BestWebSoftは、手動での翻訳とgoogle翻訳によりWordPressのサイトを多言語化するプラグインです。
無料版は、投稿ページ、固定ページ、カテゴリ、タグ、メニューの多言語化の他、open graphも多言語対応することができます。
機能としては、言語スイッチャーなど基本的なものは揃えています。
しかし、有料版でなければ、カスタム投稿タイプ、カスタムタクソノミー、カスタムフィールド、ウィジットなどの多言語化はできません。
有料版のプランと価格は以下となっています。
プラン | 価格 | 条件 |
---|---|---|
Annual | $32 | Per domain, per year |
Lifetime | $320 | Per domain, forever |
Membership | $250 | Per domain, per year |
※2019年1月現在、公式にはアナウンスはまだ無いようですが、WordPressのバージョン5以上Gutenbergに非対応でした。クラシックエディタを導入することで利用できます。
9.WPGlobus(無料)
WPGlobusは、全言語1投稿型の多言語化するプラグインです。
手動で多言語化することに重きを置いており、自動翻訳機能はありません。
投稿ページ、固定ページ、ウィジェット、カスタムフィールドを多言語することができ、サーチエンジンフレンドリーなURLも生成することができます。
全言語1投稿型のため、1つのPost IDのデータベースに以下のような特殊なフォーマットで保存されます。
{:en}English contents{:}{:ja}日本語のコンテンツ{:}
プラグイン自体は無料で利用できますが、機能拡張用のアドオンが多数あり、これらの一部は有料となっています。
設定などは比較的に簡単ですが、プラグインをアンイストールすると翻訳コンテンツがフロントエンドに表示されなくなるので十分に理解が必要です。
10.Sublanguage(無料)
Sublanguageは、変則的な各言語1投稿型の多言語プラグインです。
特に軽量にすることをコンセプトに作られています。追加テーブルやマークアップをコンテンツに追加するようなことはありません。
機能は多くありませんが、投稿ページ、固定ページ、カテゴリ、タグなどに対応しています。
言語スイッチャーは、アドオンプラグインで対応します。
このSublanguageもアンイストールしてしまうと、データベースを直接みない限りベース言語以外のコンテンツが見えなくなります。
プラグインを導入する前に
WordPressのサイトを多言語化する際には、必ず以下を確認して頂してください。
どの多言語化プラグインであってもインストールの際には大きな変更を加えることになります。
可能であれば、テストサイトを作成し、必要なプラグインやテーマなどがすべてきちんと動くかどうかをチェックしておくのをおすすめします。
多言語化プラグインはデータベースに大きな変更を加えることがあるため、データベースバックアップと更にファイルのバックアップも念の為とっておきましょう。
おすすめの多言語化プラグインまとめ
以上が、WordPressのサイトを多言語化する際に検討をおすすめのプラグインです。
個人のブログを多言語化するのと、ビジネスに使用するサイトの多言語化では状況が違うかと思います。
こちらで紹介したものは、比較的導入が簡単なものばかりです。
本格的に多言語化サイトを運用される前に、ご自身のサイトに合ったプラグインを試しながら見つけるのがおすすめです。