WordPress多言語化

WordPressでWEBサイト(ホームページ)を多言語する3つの方法を比較する

2020年の東京オリンピックや増え続ける訪日・インバウンド需要により、WEBサイトを多言語化することは、もはや特別なことでは無くなっています。

しかし、一言でWEBサイトを多言語化すると言っても、WEBサイトごとにサーバやCMSなど、ハード・ソフト面の条件が異なります。

そこで当ページでは、世界で最も広く利用されているWordPressを用いたWEBサイトの多言語化の方法をそれぞれのメリットとデメリットを比較してまとめました。

WordPressを使った多言語化の方法は大きく3つ

では、WordPressで作ったサイトを多言語化するには、どのような方法があるのでしょうか?

WordPressは、すぐにプラグインが頭に浮かびますが、プラグインを使わずに多言語化することもできます。

様々な方法の特徴を見ながら、最適な方法を考えていきましょう。

1 WordPressのプラグインなしで言語毎にインストールする方法

最もシンプルな方法は、翻訳する言語毎にWordPressをそれぞれインストールし、データベースも分けて複製してしまう方法です。

導入の手順は以下の通りです。

  1. それぞれの言語毎にドメイン・サブドメインを取得、又はサブディレクトリでインストールするサーバ領域を用意します。
  2. データベース名も言語の数だけ用意をし、接続先のデータベースを言語毎に分けます。
  3. サーバの各言語領域にWordPressをインストールし、テンプレートやプラグインをベースとなる言語から複製します。
  4. WordPressの言語設定を調整し、言語ファイル、カテゴリ、コンテンツを翻訳します。

既にWordPressを運用しているサイトであれば、すぐにイメージがつくと思います。

最も単純な方法なので理解はしやすいですが、データベースがそれぞれ異なるため、コンテンツの追加やテンプレートの変更、WordPressのアップデート、プラグインのアップデート時などは、言語毎にログインやメンテナンスが必要です。

言語の数に比例して、運用時のコストは増大してしまいます。

メリット

導入方法がシンプル

デメリット

運用時のコスト増

2 WordPressのマルチサイト機能を利用する方法

1つめにご紹介した方法は、運用時のコスト増というデメリットがありました。そして、このデメリットを大幅に改善するのがマルチサイト機能です。

マルチサイト機能とは、1つのWordPress、1つのデータベース内に複数のWEBサイトを格納することができる機能です。

サイトネットワーク管理者という特権ユーザが制作され、複数のWEBサイト、ユーザ、テーマ、プラグインが一元的に管理することができるようになります。つまり、運用時のメンテナンスコストを抑えることができるわけです。

導入の手順は以下の通りです。

  1. サブドメイン・サブディレクトリ、複数の独自ドメインなど構成を計画します。
  2. wp-config.phpに「define(‘WP_ALLOW_MULTISITE’, true);」を追加します。
  3. 管理画面 > ツール > ネットワークの設置よりサブドメイン・サブディレクトリをそれぞれ選択して、ネットワークをインストールします。
  4. ネットワーク設定の有効化の画面に表示されている内容をwp-config.phpと.htaccessに追加します。
  5. 複数の独自ドメインで運用する場合は、WordPress MU Domain Mappingというプラグインを導入します。

マルチサイトに対応していないプラグインもあり、事前の確認が必要かと思います。また、wp-config.phpの設定や.htaccessなど直接ファイルを移動・変更をするため、少なくても初心者レベルのWEB制作の知識が必要になります。

メリット

運用時のコストが低い

デメリット

未対応のプラグインがある
初心者レベルのWEB制作の知識が必要

3 WordPressの多言語化プラグインを利用する方法

マルチサイト機能を利用することで、運用時のコストが大幅に下がりますが、導入には初心者レベルのWEB制作の知識が必要となります。対して管理画面からGUIでインストールして利用できるのが、3つめの多言語化プラグインを利用する方法です。

しかし、プラグイン毎に多言語化の実現方式には、大きく4つの違いがあり、それぞれに向き不向きがあるため、その違いを説明します。

マルチサイト型(Multisite Language Switcherなど)

前述のWordPressのマルチサイト機能と、併用するタイプのプラグインです。主に作成した記事を各言語同士で紐付ける役割をします。

生成ページ上での翻訳管理型(Googleウェブサイト翻訳ツールなど)

Googleウェブサイト翻訳ツールのように自動翻訳ウィジェットを組み込むタイプのプラグインです。これらの翻訳ツールは、表示されているコンテンツを翻訳するだけなので、外国語のキーワードで検索エンジンから集客することができません。SEOとしては機能しないことになりますので、その特徴をよく理解する必要があります。

1記事複数言語型(qtranslateなど)

1つの記事の中に、複数の言語のコンテンツを持たせるタイプのプラグインです。全ての言語の記事を同じPost IDの投稿内に独自タグで格納します。コンテンツが増えると挙動が重くなることがあります。独自タグが他のプラグインと干渉する可能性を否定できません。

1言語1投稿型(Bogoなど)

各言語別に記事を作成して、それを言語毎に表示し分けるタイプのプラグインです。主に各記事にロケール情報を作成してそれぞれを紐づけて表示時にコントロールをします。

導入の手順はそれぞれのプラグインに依存しますので導入マニュアルを参照してください。

「生成ページ上での翻訳管理型」は、検索エンジン以外の広告などの集客力がなければ導入の意味が薄くなります。また、1記事複数言語型は、記事が多くなると挙動が遅くなるため、オススメできません。シングルサイトでは、1言語1投稿型を導入することをオススメします。

メリット

GUIから簡単にマウス操作だけで導入可能

デメリット

複数のプラグインがあり選定に知識が必要

まとめ

WordPressのサイトを多言語化する方法を紹介しました。

今回ご紹介した4つのプラグインタイプの中から、弊社がおすすめする方法は、1言語1投稿型のプラグインを使う方法です。

特にBogoは、以下のように設計思想が素晴らしく、その他のプラグインと比べて、干渉が少なくなるように作られています。

Bogo の設計は WordPress と親和性が高く、このカテゴリーの他のプラグインとは異なり、データベースに独自のテーブルを追加するようなことがありません。

この設計が Bogo の高い信頼性と堅牢性、コンフリクトが起きにくいといった利点を生み出しています。

また、開発者は、2018年現在、世界中で500万インストールを誇る「Contact Form 7」のTakayuki Miyoshi氏です。

Bogoは、インストール数が非常に多く、十分に実績があるだけでなく、そのユーザーの評価が非常に高く、さらに大事なアップデートも頻繁なことも安心材料の一つです。

もし、現在、Webサイトの多言語化を検討しているのであれば、是非、参考にしてください。