2019年現在、WordPressにDefaultでインストールされているTwenty Nineteenなどのテーマは、世界中で利用されることを前提に作られてるため、完全に多言語対応(国際化)されています。
そのためTwenty Nineteenをそのまま利用すれば、多言語対応に問題はおきません。しかし、そのシンプル過ぎるデザインをそのまま利用することは少ないでしょう。
多くの方は、完全にオリジナルのデザインをテンプレートに組み込んだり、有料・無料のテーマを導入してカスタマイズする方が多いと思います。
一部のテーマでは表示する文字をそのままテンプレートに組み込んでいるものがあります。単言語での利用であれば、使用上の問題はありませんが、多言語で利用する場合は、該当部分を自分で修正をする必要があります。多くの人にとってそれは難しい作業となりますので、事前に多言語対応しているテンプレートを選定したいものです。
そこでWordPressで多言語対応をしているテーマ(Theme)を簡単・便利に探す方法をご紹介します。
公式テーマと非公式テーマとは?
WordPressのテーマは2つに分類されています。
公式テーマ(Theme)
公式テーマとは、WordPressの管理画面 > 外観 > テーマから検索・追加ができるテーマです。
公式テーマは、定められたコーディング基準や作成ルールに準じて作られているか?テーマユニットテストのデータで様々なパターン、長さのデータで表示崩れがないか?HTML、CSS、jsの構文チェックで問題がないか?などをTheme Checkのツールだけでなく、担当コードレビュアーが人的リソースをかけてその過程をすべてオープンにしながらテーマをチェックしています。
そのため公式テーマは脆弱性や他のプラグインとの干渉などの可能性が低いテーマといえます。また、この公式テーマでは、多言語化(国際化)が推奨されており、対応する場合も十分にチェックがされていることになります。
公式テーマに登録するためには以下のような手順が必要です。明確なルールと手順があり、公式テーマはより安心して利用できることがご理解いただけるかと思います。
非公式テーマ(Theme)
非公式テーマとは、公式テーマディレクトリに登録されていないそれ以外のテーマとなります。
公式テーマの何重ものチェックとは違い形式だけ整えばどのようなテーマでも配布とインストールが可能です。
非公式だからといって決して危険というわけではありませんが、安全・安心ということでもありません。第三者の評価・評判を十分に検討してから導入してください。
多言語対応(国際化 I18n)されているテーマと非対応のテーマは何が違うのか?
WordPressのテーマの多言語化と表現されることが多いのですが、正確には国際化internationalization(I18n)といいます。iとnの間に18文字あるからそのように表記します。
国際化で対応すべき点はいくつかありますが、多言語対応(国際化)されているテーマは、gettextライブラリを使った記述がされている点が大きな違いです。
テーマ内で直接テキストを出力する場合には以下のように_e()関数を用います。
テンプレートで
<h2><?php _e('Hello', 'テーマ名'); ?></h2>
と国際化の記述となっているということが国際化対応テーマのわかりやすいポイントです。
このように記述することで
ユーザが英語(ロケールがen)で見た場合
<h2>Hello</h2>
ユーザが日本語(ロケールがja)で見た場合
<h2>こんにちは</h2>
と言語によってテンプレートの該当箇所が適宜翻訳された内容が表示されます。
これらの国際化を意識して作られていないテーマは当然ながら多言語対応ができないことになります。テンプレートが上記のように作られていれば多言語対応されているかどうかを一見して判断することができます。
※上記以外にも多言語化ファイル(.po と .mo)を作成し、functions.php内で load_theme_textdomain(を使いテーマのmoファイルをロードする必要などがありますがより技術的な話は割愛してます。
無料テーマ(Theme)も豊富なWordPress公式テーマディレクトリで探す
多言語対応(国際化)ができているテーマの最も大きな点を上記で説明しました。では、そのテーマをどのように探したらいいのでしょうか?
実は公式テーマで多言語化(国際化)しているテーマについては以下の公式テーマディレクトリで簡単に探すことができます。2019年現在、なんと3500以上のテーマが多言語対応(国際化)しています。
この「翻訳対応」という項目は、WordPressの管理画面 > テーマ に表示されている公式テーマでは選択して検索できませんので上記のURLに直接アクセスしてください。
レイアウト・機能・用途から絞り込みもできる
3500以上のテーマの中から選ぶのはちょっと多すぎます。そこでフィルタ > 編集 からさらにレイアウト・機能・用途の3つから絞り込み検索をすることができます。
レイアウトは、 グリッドレイアウト、1カラム、2カラム、3カラム、4カラム、左サイドバー、右サイドバー、幅広ブロックの8項目のチェックボックスから選択できます。
機能は、翻訳対応以外に、アクセシビリティ対応、ブロックエディタースタイル、BuddyPress、カスタム背景、カスタムカラー、カスタムヘッダー、カスタムロゴ、カスタムメニュー、エディタースタイル、アイキャッチ画像ヘッダー、アイキャッチ画像、可変ヘッダー、フッターウィジェット、フロントページからの投稿、全幅テンプレート、 Microformats、投稿フォーマット、RTL言語対応、固定投稿、テーマオプション、スレッドコメンの全22項目のチェックボックスから選択できます。
用途(表示上は「題名」)は、ブログ、Eコマース、教育、エンターテイメント、飲食品、ホリデー、ニュース、フォトグラフィー ポートフォリオ、の9つの項目のチェックボックスから選択することができます。チェックはありませんが、コーポレートサイト(企業サイト)にもマッチするようなデザインも見つかります。
Tips 海外のテーマ(Theme)導入時のポイント
WordPressで海外製のテーマを日本語で導入すると多少違和感があるかもしれません。多くの場合それはフォントに違いがあるからです。欧文を基本として考えられているため、フォントが小さい(14pxが多い)のです。また、行の高さがたりないと感じるかもしれません。最も異なる点は、日本語フォントが指定されていない点です。
以下の3つを試してみてください。国産テーマと同じような表示になると思います。
- font-family に游ゴシックなど日本語フォントを指定する
- line-height を広げる
- font-size を16px以上にする
まとめ
WordPressの公式テーマディレクトリは、1ページで無限スクロールしていきます。便利な絞り込み機能を合わせて使えば、すぐににお気に入りのデザインを比較検討することができます。
海外製のテーマは多言語対応(国際化)されているものが多く、デザインもとても優れています。無料のテーマが多いことも魅力です。
最後に弊社のWEBサイトを36言語に人力・機械翻訳するSpokeと、これら多言語対応(国際化)されたテーマを利用することで、即日多言語化されたWEBサイトを公開することができます。
是非以下よりご相談ください。