多くのお客様から多言語WEBサイトに最も有利なURLを教えて欲しいとご相談をいただくことが増えました。
URLとご相談いただきますが、実際にはドメインとサブドメイン、サブディレクトリの3つのそれぞれで何を選択すべきか?を悩んでいることがわかりました。
この3つを整理して解説したいと思います。
多言語のWEBサイトに最適なドメイン
海外向けのSEOでもっとも誤解があるのがドメインです。
サブドメインが良いか?サブディレクトリが良いのか?と質問されますが、それ以前にそもそもドメインの選択が誤っていることが8割を占めています。
このドメインを間違うと多言語サイトのSEOでは成果が出ないと断言することができます。
この多言語サイトのドメイン選択に関しては別ページで解説していますので、まずはこちらをご覧ください。
URLとは?
多言語サイトに最適なURLを検討するには、URLにに関しての理解が必要です。まずはこちらを確認しましょう。
URLとは、Uniform Resource Locator(ユニフォームリソースロケータ)の略記で、インターネットの住所のことです。
URLとは以下全部を指します。
https://www.example.co.jp/directory/file.html
httpやhttpsというのはプロトコルです。プロトコル部から://までをスキームと言いますが、その説明は省略します。
wwwの部分はホスト名といいます。ホスト名とは、ネットワークに接続された機器を識別するたの名前です。
インターネットでは、親ドメイン名とホストの組み合わせで表現されるドメインの一種と考えてください。親ドメインと組み合わせるため、サブドメインとも表現します。
https://www.example.co.jp/directory/file.html
exampleの部分はサードレベルドメイン、以下ドットで区切られている、coはセカンドレベルドメイン、jpはトップレベルドメインです。
https://www.example.co.jp/directory/file.html
ドメインにはccTLDとgTLDがあります。その違いや海外向けSEOでの重要性は、既に以下で確認いただいているかと思いますので省略します。
directoryの部分はディレクトリ名です。
https://www.example.co.jp/directory/file.html
多言語WEBサイトのSEOに有効なURL構造の3パターン
上記で、URL、ドメイン、サブドメイン、ディレクトリを理解してから以下を確認しましょう。
ccTLDで国ごとにドメインを分ける
現地法人などを持っており、地域性のあるビジネスの場合は、以下のように現地ごとにccTLDを取得することが最良の選択になります。
イギリスとカナダでは同じ英語圏(一部はフランス語)ですが、検索エンジンに対してどこの地域向けのコンテンツなのか?をccTLDを通じて伝えることができます。
同じ英語のコンテンツであっても、イギリスから英語で検索をしたユーザにはイギリス版、カナダから検索したユーザにはカナダ版の検索結果が返されます。
双方のサイトに英語で全く同じコンテンツがあった場合も、重複コンテンツとみなされることはありません。
イギリス : https://www.example.co.uk
カナダ : https://www.example.ca
サブドメインで言語・地域を分ける
ある言語で世界中にアプローチしたい場合、以下のようにen(英語の場合)というサブドメインを利用することができます。
英語(全世界向け) : https://en.example.com
また、地域性がある場合も、以下のようにサブドメインで運用することができます。
イギリス : https://uk.example.com
カナダ : https://ca.example.com
サブディレクトリで言語・地域を分ける
ある言語で世界中にアプローチしたい場合、以下のように同じドメイン内にenとkr(英語と韓国語の場合)というディレクトリを分けて利用することができます。これをサブディレクトリ型といいます。
英語(全世界向け) : https://example.com/en/
韓国語(全世界向け) : https://example.com/kr/
多言語サイトでサブドメインとサブディレクトリを使う際の注意
ccTLDを使わない
既にco.jpというドメインを持っているからという理由だけで、以下のようにサブドメインやサブディレクトリを設定しないよう注意してください。
この場合、日本国内にいる英語ユーザ向けのコンテンツとなってしまいます。(そういう目的を持って実施するのであれば良いのですが、おそらく稀でしょう)
英語(日本向け) : https://en.example.co.jp
英語(日本向け) : https://example.co.jp/en/
インターナショナル ターゲティングを指定を忘れずに
Search Consoleのインターナショナル ターゲティングで対象の地域を指定することを忘れないようにしてください。「指定なし」や対象国を紐付けなければ、検索エンジンに最適化されません。
comのようなgTLDを利用した場合、ccTLDと異なり検索エンジンに対して対象としている地域を伝えることができません。
まとめ
サブドメインとサブディレクトリはどちらが有利か?と質問がありますが、優劣はありません。これはGoogleが繰り返しアナウンスをしています。
しかし、多言語WEBサイトに関しては、単純にサブドメインとサブディレクトリのどちらが有利?といった問題だけではなく、ccTLDとgTLDの問題があります。
また、Search Consoleのインターナショナル ターゲティングも合わせて設定する必要があります。
自社の経営リソースや業務内容に合わせて、これらを適切に設定しなければ、時間や予算が無駄になってしまいます。